子どもファーストな3つの学校- School -

「夢みる小学校」に登場する
“子どもファーストな3つの学校"

私立の「きのくに子どもの村学園」公立の「伊那市立伊那小学校」「世田谷区立桜丘中学校」。
それぞれ校風も授業内容も異なりますが、” 子どもファーストな学校” という共通項があります。
様々な行事を子どもたちが企画進行する、校則を減らすなど、
「公立学校でもできるヒント」が映画には満載です。
” 子どもファーストな学校” が全国に増えていくことを願って、この映画はつくられました。

「きのくに子どもの村学園」は、
こんな学校。

学校法人「きのくに子どもの村学園」は、
文部科学省の学校教育法に準じた正規の学校法人として、
県知事が認可した私立学校です。
不登校児のためのフリースクールではなく、
高校、大学への進学率も高い普通の学校です。
いきいきと体験学習に夢中な子どもたちがあふれています。
「子どもが主役の自由な学校」に共感した保護者たちが熱く支持して
子どもを通わせています。

最初に「きのくに子どもの村学園(和歌山県)」が創設され、
「かつやま子どもの村小中学校(福井県)」
「北九州子どもの村小中学校(福岡県)」
映画の舞台となった「南アルプス子どもの村小学校(山梨県)」
「ながさき東そのぎ子どもの村小中学校(長崎県)」
地域の要望に応え全国に広がっています。

子どもの村では、感情、知性、人間関係のいずれの面でも
「自由な子ども」に育つために
3つの点を大切に考えています。

◎子どもがいろいろなことを決める。

毎週開かれる全校集会では、小学1年生も、
教師も、学園長も平等にひとり1票です。
「学校でスマホを使ってよいか」などの重要な立案は、
「多数決」ではなく、納得できるまで
何ヶ月もかけて全校集会で決めていきます。

◎一人ひとりの違いや興味が大事にされる。

個性や個人差を尊重します。
同じことを同じ方法で、同じペースで、同じ答えに向かって
学習する授業ではありません。

◎リアルな体験や日常の生活が学習の中心になる。

本の勉強よりも、実際に作ったり調べたりする活動が
重視されます。
「プロジェクト」と呼ばれる体験学習が時間割の半分を占めています。
子どもは好きなプロジェクトを選んで1年間所属します。

「伊那市立伊那小学校」は、
こんな学校。

伊那小学校では「総合学習」を中核に位置づけ、
はじめに学ぶべき内容があるのではなく、
子どもの求めや願いかに添って学習を展開することで、
子ども自身に学ぶ力が育ち主体的な学習が
できると考えています。
そうした理念から、1956年に「通知表」を廃止。
以来65年間、校長が変わっても通知表がありません。
固定化された時間割や、チャイムがなく、子どもファーストの教育が続いています。

山羊や豚を飼う、毎日のように森に行く、などの体験は、
子どもたちの目を輝かせ、教師は一緒に育っていきます。
公立小学校でも、ここまで自由に
学習スタイルを変えられるのです。

「世田谷区立桜丘中学校」は、
こんな学校。

西郷孝彦先生は、大田区、世田谷区で数学と理科の教員と教頭を歴任。
2010 年から10年間世田谷区立桜丘中学校の校長を務めました。
在任中に子どもファーストの視点で学校を改革。
「定期テスト」を廃止して、小テストに変え、校則を3つまでに減らし、服装も髪型も自由な公立中学校に改革しました。
生徒の管理を強化することより、子どもたちを自由にすることで、
生徒の平均学力は著しく上がりました。
ひとりの校長が、ここまで学校を変えることができるのです。